NAMM Show 2018にて、BOSSのGT−100の後継となる最新フロアマルチエフェクター「GT−1000」が発表されましたね。
Line6のHelix Floor
Fractal Audio SystemのAX8
や同社FX8
と言ったハイエンドフロアマルチエフェクターに対して、老舗であるBOSSからの回答と言ったところでしょうか。
個人的に他のハイエンドフロアマルチエフェクターと比較した上での、気になるポイントをまとめて見ました。
Contents
これを待ち望んだ!現場対応力が劇的に向上するSTOMPBOX機能
詳しい機能解説は本記事投稿時には発表されてないですが、公式サイトには
– STOMPBOX機能により複数のパッチでセッティングを共有し、コンパクト・ペダルを接続している時のように簡単なセッティング変更が可能
とあります。
例えば、
パッチA:歪みバッキング用(使用エフェクト:アンプモデリング)
パッチB:歪みソロ用(使用エフェクト:ブースター、アンプモデリング、ディレイ、リバーブ)
というパッチを作ってた時に、AとBでアンプモデリングのパラメーターを共有できるということでないかと・・・
これまでのマルチだと、上記のようなセッティングにしていた場合、
リハーサルやライブの現場でその場で音作りしたい場合に両方のパッチを操作しなければなりませんでした。
つまり、パッチの数だけ操作が増える・・・
これが嫌で、自分はライブでマルチエフェクターを使う場合は極力パッチを減らすように工夫してきました。
ですが、このSTOMPBOX機能がもし上記のように動作するとしたら、かなり現場での音色変更がスムーズになります。
これまでもGTシリーズはグローバルEQというエフェクター全体に対してのEQは搭載していましたが、僕は”グローバルプリアンプ”みたいな設定できればいいのになあとずっと思っていたのでこの機能はものすごく興味がありますね。
[ハイエンド=重い]の常識を覆す軽さ!
これまでのBOSSのハイエンドマルチはもちろん、Line6のHelix Floor、FractalのAX8やFX8などのハイエンドフロアマルチエフェクターはだいたい重いです。
BOSS/GT−100:4.8kg
LINE6/Helix Floor:6.7kg
LINE6/Helix LT:5.7kg
Fractal Audio System/AX8:5.4kg
Fractal AudioSystem/FX8:5.2kg
唯一ZOOMのG5nはフラッグシップモデルで3.4kgの軽さを誇ってるのが素晴らしいと感じていましたが…
ここにきてBOSSがぶちかましてくれました。
GT−1000、その重さなんと3.6kg!!!
GTシリーズとして見ても、これまでのGTより大幅な性能アップをしてるのに重量軽くなるってどんな魔法使ったんだよBOSS。
超高速のパッチチェンジ
– 超高速化された音色切り替えと、 ディレイ/リバーブのキャリーオーバー機能を搭載
(https://www.boss.info/jp/products/gt-1000/features/より引用)
超高速化された音色切り替え!
超高速ってどのくらいですか!!
以前ZOOMは1.6msと公表してましたよね。
数値化してくれればわかりやすかったんだけど。
でもまあBOSSが超高速っていうんだから超高速なのでしょう・・・
期待してます!!
モデリング技術が変わったーCOSMに代わる新技術「AIRD」
GTシリーズの始まりは1996年、GT-5が産声をあげた時からでした。
(僕は高校時代死ぬほどGT-5にお世話になりました)
(確か)GT-5で最初に搭載されたCOSM技術。
要するに「リアルにモデリングする技術」ってことだと思うんですが、1996年のGT-5以降、BOSSはずっと「COSM…コズム…こずむ…」とCOSM推しを続けてきました。
そのBOSSがついに!!!
ついにCOSMに変わる新技術を投入してきたんですからさあ大変。
(興奮してるの僕だけですかね)
いやでも往年のBOSSファンには大事件だと思うんだけどなあ。COSM卒業。
前田敦子のAKB卒業くらいのインパクトはある(当社比)。
個人的には、こういう技術的ウンチクは興味なくて「良い音出てりゃいい派」なんですが、それでも反応していましましたCOSMちゃんの卒業。
BOSSの高級コンパクトエフェクトも内臓ーDD-500、MD-500、RV-500
ハイエンド機種として評価が高いDD-500 Delay、MD-500 Modulation、RV-500 Reverbから受け継いだ高度なアルゴリズムや、フレーズのダイナミクスや音域にインテリジェントに反応する最先端のMDPエフェクト、AD-10 Acoustic Preampから移植された、エレクトリック・アコースティック・ギター用のAcoustic Resonance機能など、最新のBOSSエフェクト技術を結集しています。(https://www.boss.info/jp/products/gt-1000/より引用)
GT-1000にはBOSSのハイエンドエフェクターである500シリーズのエフェクトアルゴリズムを搭載しているとのこと。
500シリーズといえば
EventideのTimeFactorやModfactor
StrymonのTimeLineやMobius
といった空間系・モジュレーション専門コンパクトマルチ(?)にぶつける形で登場した
DD-500、MD-500、RV-500
のことですね。
競合他社よりはお安めとはいえ、ひとつ4万弱しますから、全機種揃えれば10万以上。
GT−1000はそれ以上にたくさんエフェクト入ってますからお得感満載DESU。
メインアウトとサブアウト搭載
MAIN OUTPUTとSUB OUTPUTに異なる出力設定を行い、ギター・アンプとPAの両方に、それぞれ最適化された信号を同時に送ることも可能です。
(https://www.boss.info/jp/products/gt-1000/より引用)
これもなかなか良い機能ですよね。
ラインでPAに直接送ることができれば、PAからの出音までプレイヤーが責任持てますから。
ただ、やっぱりギタリストたるものギターの音がコロガシ(フロアモニター)から出てくるのは、テンションが上がらない。
アンプを背負って弾きたい訳ですよね。
そんなこともGT−1000ならできますよと。
ただちょっと気になるのは、
GT-1000からPAとギターアンプにパラアウトするとして、
ギターアンプ側のみスピーカーシミュレーターをoffにするとかできるのかしら。
PA側は絶対アンプ・スピーカーシミュレーターを通らないとダメな訳だけど、ギターアンプ側って状況にもよるけど普通にギターアンプのスピーカー鳴らすならスピーカーシミュレーターはOFFにしたいもんね。
これは気になるポイント。
フットスイッチの割り当てをカスタマイズできる
各フットスイッチの機能は自由にカスタマイズ可能で、パッチの切り替えとコントロール機能を割り当てたる、といった基本セッティングだけでなく、特定のエフェクトのON/OFFやタップ・テンポ、特定のパラメーターの変更やシステム・セッティングの変更など、ほぼ全ての機能を好きなように割り当てて自分に最適なシステムを構築することが可能です。
(https://www.boss.info/jp/products/gt-1000/より引用)
これも素晴らしいポイント。
これはまあ、他のハイエンドマルチでもできることではあるけど、しっかりと対応している所にBOSSの抜け目なさを感じます。
Bluetoothで音作りができる
これは、他社だとアンプとかで実装されてる機能ですね。
(Fender/Mustang GTなど)
スタジオとか自宅で音作りをするときに、いちいちかがんで音作りするのは地味に面倒ですし腰にキますからね(苦笑)
ありがたい機能です。
内蔵チューナーも本気
内蔵チューナーも最近増えてきたポリフォニックに対応。
チューナーまで手を抜かない、BOSSの本気が見えます。
その他の性能も他社ハイエンドマルチに迫る!
– サンプリング・レート96kHz、AD/DA変換32bit、内部演算32bit float(浮動小数点)処理。つまり高音質。
– 外部エフェクトループを2系統搭載(お気に入りの外部エフェクターを組み込める)
– アンプシミュレーター部分は2つ同時に使用可能(パラレルで音づくりができる)
– オーディオインターフェイス機能搭載
– 直感的な操作をサポートするユーザー・インターフェイス
などなど・・・
これらは他社のハイエンドマルチにも搭載されている機能ではありますが、本当に他社にできることは全部できるようにしてやるくらいの気迫を感じます。
お値段以上、BOSS。
さて、これだけの機能を備えたGT−1000ですが、そのお値段は予定販売価格100,000円のようです。
これまでのGTシリーズのほぼ倍!!
一見ものすごい値上げのように感じますが、しかし上記で比較したようにその内容は他社ハイエンドマルチエフェクターに肉薄する内容ですから、全然安いと言えるのではないでしょうか。
少なくとも僕は安いと思ってます。
ちなみに競合他社の価格はこんな感じです。
LINE6/Helix Floor:約20万
LINE6/Helix LT:約12万
Fractal Audio System/AX8:約23万
Fractal AudioSystem/FX8:約19万
発売はいつ頃?
2018年4月頃の様です!
初期ロットは品薄になる可能性があるとの情報も・・・?
まとめ・BOSS GT-1000のデメリット?
さて、機能は申し分なし。
重量も軽く、お値段以上。
一見言うことなしなBOSS GT-1000ですが、個人的に気になっていることが一つ・・・
僕はBOSSの歪みがあまり好きではないのです・・・(撃汗)
単純に音だけだったらHelixやFractalの方が好きなんですよね(汗)
単純なスペック的な音の良さとは全く別のベクトルで”メーカーの音”ってのがありますから、今回のGT−1000でBOSSがこの点をどう料理してくるのかが、なんだかんだでもっとも気になる点であり、楽しみな点でもあります!
マルチエフェクターは音を出すためのものですから、早く実際に弾いて見て、確かめてみたいです^^
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